06. トムラウシ(とむらうし)(1) 2,141m |
北海道中央高地、石狩山地。 |
登頂日: | 平成14年(2002年)7月27日(土) |
天 候: | 霧 |
行 程: |
沼の原登山口−沼の原−五色ヶ原−五色岳−ヒサゴ沼避難小屋(泊) =トムラウシ(往復)−化雲岳−天人峡 |
7月26日(金) 3:55. 沼の原登山口発 4:50. 5分休憩 5:30. 沼の原分岐 6:15. 五色の水場、 15分休憩 7:45. 15分休憩 8:50. 10分休憩 9:15. 五色岳着、 9:40. 発 10:52. ヒサゴ沼分岐 11:25. ヒサゴ沼避難小屋着(泊) 7月27日(土) 5:30. ヒサゴ沼避難小屋発 6:00. 分岐 6:25. 天沼 6:35. 5分休憩 7:30. 北沼分岐、 10分休憩 8:03. トムラウシ山頂着 |
8:15. トムラウシ山頂発 8:35. 北沼分岐 9:30. 天沼 9:50. 分岐 10:15. ヒサゴ沼避難小屋着(泊) 7月28日(日) 5:05. ヒサゴ沼避難小屋発 5:55. ヒサゴ沼分岐 6:05. 化雲岳、 10分休憩 7:20. ポン沼 8:30. 第2庭園着、 8:55. 発 9:20. 第1庭園 10:10. 10分休憩 11:00. 滝見台着、 11:30. 発 12:00. 天人峡登山口着 |
7月25日(木) 今年の北海道の7月の天気はすっきりと晴れることが少なく、今回も梅雨前線が北海道附近に北上して、あまりよい天気は期待できないようだ。 7:43.上越市発(高速バス)。 10:15.新潟駅着。 10:30.新潟駅発(バス)。 10:50.新潟空港着。 11:25.新潟空港発。 航路は女満別行きの時とは異なって、秋田までは日本海沿岸を北上する。飯豊、朝日、月山、鳥海山がよく見えた。さらに、田沢湖、岩手山が見え、十和田湖上空を飛行する。しかし、陸奥湾附近から雲で下界は見えなくなってしまった。日高山地は山頂部が雲の上に出ていたが、トムラウシ、大雪山は雲の中だった。 12:45.旭川空港着。 晴れているのだが山は見えない。 13:00.旭川空港発(バス)。 13:25.旭川駅前着。 14:35.旭川駅前発(バス)。 最初は7〜8名の乗客だったが、上川駅で登山姿の乗客が大勢乗ってきてほぼ満員になった。 16:25.層雲峡着。 16:40.「層雲峡YH」着。 バスの終点から少し登った高台にある。木造の古い建物だ。 翌朝、3時にタクシーを予約する。 7月26日(金) 2:50.「層雲峡YH」発(タクシー)。 まだ暗い。7月上旬の知床のときより夜明けが遅くなっている。満月が煌々と照っていた。運転手の話では、今日の天気は最高だろうという。また、今日、沼の原に入る登山者はかなりいるとのことだった。 3:25.沼の原登山口着。 作業小屋のような小さな休憩小屋がある。まだ薄暗いので、その中でおにぎりを食べて明るくなるのを待った。コマドリ、ミソサザイ、ルリビタキが啼いていた。そろそろ明るくなり、出発しようと思っていたところ、6人の女性グループがタクシーで着いた。 |
3:55.沼の原登山口発。 最初は平坦な歩き易い道だが、次第に勾配が急になってくる。30分くらい急登が続く。シラカバ、アカエゾマツ、トドマツなどの混生林。アカハラ、ウグイス。 4:50.急登が終わり、沼の原まで2kmの標柱のところで休憩5分。 5:15.湿原に出る。急に視界が広がり、トムラウシが山頂までくっきりと見えた。平坦な木道が続き、非常に歩き易い。 5:30.沼の原分岐。道の方向によってトムラウシは右に見えたり、左に見えたりする。大沼のキャンプ場の場所はよく分からなかった。水位が上がって水没していたのかもしれない。 5:55.木道が終わり、樹林に入る。ひどい泥道だ。 6:15.五色の水場着。 下り坂から上り坂になる鞍部で道の左手に沢が流れている。少し空腹感を覚えたのでパンなどを食べる。 6:30.発。 直後、急登があるが、20分くらいで登り切れる。 7:06.五色ヶ原の標柱。チングルマ、ヨツバシオガマ、ハクサンボウフウが目立つ。同じような景色の緩やかな勾配の道を進む。 7:45.木道に出たところで休憩。 8:00.発。 木道が続き、歩き易いし、天気もよく、気持ちよく歩ける。場所によって、チングルマの群落、エゾコザクラの群落、トカチフウロの群落が現れる。特に、チシマノキンバイソウの群落とトムラウシの姿が素晴らしい。ウグイス、ビンズイ。 |
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大沼からトムラウシ |
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エゾコザクラ |
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8:50.道の左手に小さな沢のあるところで休憩。 冷たい水で顔や身体を拭く。気持ちがよい。 9:00.発。 ハイマツの中を少し登ると五色岳に着いた。 9:15.五色岳着。 男性4人グループがいた。遠くに旭岳、白雲岳。すぐ近くに忠別岳が見える。 9:40.発。 ハイマツ帯の中を進む。ハイマツがなくなり、草地となる。 10:35.化雲岳への分岐。 この辺りの花もきれいだ。エゾゼンテイカが現れる。チングルマ、エゾツガザクラ、アオノツガザクラの群落が入り混じっている。 10:50.再び、化雲岳への分岐。 11:52. ヒサゴ沼分岐。 トムラウシが眼前に見える。しばらく、エゾコザクラ、ミヤマキンバイ、エゾツガザクラ、アオノツガザクラのお花畑に囲まれた平坦な木道を歩くが、すぐに岩のゴロゴロした下り坂となる。雪渓は左下手に現れる。今年は雪が少ないようだ。道は木で整備されている。雪解け水が道を流れていた。 11:25.ヒサゴ沼避難小屋着。 小屋には忠別岳の避難小屋から来たという女性登山者が一人いた。テント場には2張り。 ヒサゴ沼の水はきれいで、風も気持ちがよい。しかし、陽射しは強い。まだ早いが、明日の天気もよさそうなので、今日はゆっくりと休むことにする。 2時ころから沼のほとりでウイスキーを飲む。2時半ころ沼の原登山口で会った女性グループが到着した。テントを持ってきていた。次第に小屋に入る登山者が多くなり、5時ころにはほぼ満員になった。 暗くなった7時過ぎに男女の2人が到着した。5時にトムラウシ温泉を出たが、女性が疲労してこんな時間になってしまったとのこと。天気がよかったからよかったものの、悪かったら遭難していたかもしれない。トムラウシ温泉からは体力に自信がなければ一日では来られないようだ。 |
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五色ヶ原からトムラウシ |
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化雲岳付近からトムラウシ |
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ヒサゴ沼、後方はニペソツ |
7月27日(土) 5:30.ヒサゴ沼避難小屋発。 外に出て見ると霧だけであまり雨は強くなく、風もそれほどではなかった。ヒサゴ沼の湖岸から雪渓に取り付く。急傾斜で四つ這いになって登った場所もあった。雪渓を登り切った後に岩のごろごろした場所があり、ペンキマークを目印に進む。 |
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8:03.トムラウシ山頂着。 誰もいない。ヒサゴ沼からトムラウシへ来たのは、私が最初だったようだ。上空は雲がなく、日が差している。風は強いが、羅臼岳のときほどではないし、寒くはない。旭岳、白雲岳は頂上部だけ見える。下まで見えるのは南側のトムラウシ温泉の方向だけで、その他は雲で下の方は何も見えない。特に旭川方向は雲が厚い。温かいコーヒーを飲んだりして天気がよくなるのを待ったが、あまりよくならなかった。 8:15.山頂発。 8:35.北沼分岐。しばらくしてからヒサゴ沼から出てきた登山者と行き交うようになった。 |
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トムラウシ山頂 |
9:30.天沼。下るにつれてまた霧が濃くなってきた。花は結構咲いているのだが、霧に濡れて風も強く、写真を撮ることはできない。 9:50.分岐。下りの雪渓はそれほど怖さを感じなかった。登るときのルートが悪かったのかもしれない。登るときには雪渓の右端に沿って登った方がよいようだ。 10:15.ヒサゴ沼避難小屋着。 ほとんど空身なので4時間くらいで往復できるかと思っていたが、約5時間かかってしまった。後からトムラウシを往復して帰ってきた人たちの話では、その後も山頂の天気はよくなく、かえって悪くなっていたようだった。一日中、霧が晴れなかった。 避難小屋は昨日とほぼ同じくらいの混み具合になった。 5時ころロープを持った男性2人が到着。天人峡から沢登りをしてきたとのことだった。 7月28日(日) 夜には風も収まり、月明かりが差しているようだった。朝、よい天気だという声がする。本当に山の天気は予想がつかない。 |
5:05.ヒサゴ沼避難小屋発。 ヒサゴ沼分岐への登りで来るときに気付かなかったが、キバナシャクナゲがきれいに咲いていた。エゾコザクラ、エゾツガザクラ、アオノツガザクラの群落が素晴らしい。 5:55.ヒサゴ沼分岐。 緩やかな気持ちのよい道を登る。 6:05.化雲岳着。 南には昨日登ったトムラウシが、北には旭岳がくっきりと見えた。 6:15.発。 化雲岳の近くでは、崖になって切れ落ちている尾根の北端に沿って進むが、次第に広い尾根の真ん中の道となる。砂礫地には、コマクサの群落がいくつかの場所で見られ、風衝地では、タカネシオガマ、メアカンキンバイ、イワギキョウ、ミヤマリンドウ、エゾヒメクワガタ、エゾツツジなどが咲いていた。 下ってくると、ヨツバシオガマ、ミヤマオグルマ。さらに下ってくると、エゾコザクラ、アオノツガザクラ、チングルマの群落が現れる。 ポン沼辺りまでは本当に気持ちよく歩ける。妻がいたら、どんなに喜ぶだろうかと思った。 7:20.ポン沼。 |
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エゾノツガザクラ |
エゾツツジ |
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エゾヒメクワガタ |
リシリリンドウ |
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トカチフウロ |
エゾウサギギク |
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チングルマ群生 |
第一庭園から旭岳 |
8:00.シラカバ林の中の笹原の道となり、泥道の連続となる。傾斜のきつい所もある。花はないし、見晴らしも利かない。 8:30.第二庭園。 少し開けたところで休憩。旭岳が見えるが、花もなく、あまり庭園らしくない。軽く食事を摂る。 8:55.発。 だんだん樹高が高くなるが、道は相変わらずの泥道が続く。 9:15.「天人峡まで6km」の標識。そこからすぐに木道に出る。湿原状の場所で第一庭園と思われる。エゾゼンテイカ、タチギボウシ、ハクサンボウフウなどが咲いている。ツツドリの声が近くで聞こえるので見ると、エゾマツの梢の上に止まっていた。 9:40.木道が終わり、針葉樹林帯(エゾマツ、アカエゾマツ、タケカンバ)に入る。急坂が続く。 9:50.6、7人のグループと行き会う。ミソサザイ、コマドリ、ルリビタキ、ウグイス、エナガ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ。 10:10.途中で休憩10分。 樹林帯をさらに下る。 11:00.滝見台着。 ここまで約6時間、全くコースタイム通りだ。まだ時間も早いし、下は暑いだろうと思ったので、しばらくここで休んで行くことにした。 11:30.発。 歩きにくい急な坂道を予想していたが、九十九折の歩き易い道だった。時間も30分しかかからなかった。 12:00.天人峡登山口着。 駐車場近くのホテルで今日の宿泊を聞いて見ると満員だとのこと。他のホテルに電話してみたが、天人峡のホテルはどこも満員だった。旭川で宿をとることにしてバスの時間まで入浴、休憩することにした。 12:30.「天人峡パークホテル」にて入浴、休憩。 15:15.天人峡発(バス)。 旭岳温泉始発なので、すでに登山者が大勢乗っていた。 16:15.旭川駅前着。 すぐ駅前の「旭川ターミナルホテル」に空室があった。ホテルの食堂で会席料理を食べたが、久しぶりのご馳走で美味しかった。 7月29日(月) 10:05.旭川駅前発(バス)。 10:30.旭川空港着。 空港から、トムラウシから十勝岳までの山並みがはっきりと見渡せた。 13:35.旭川空港発。 本州上空に来たら、雲がかかっていた。 15:00.新潟空港着。 06. トムラウシ(2)へ |
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