08. 幌尻岳(ぽろしりだけ) 2,052m |
北海道、日高山脈最高峰。「ポロシリ」は、アイヌ語で、「大きな山」。 |
登頂日: | 平成15年(2003年)7月5日(土) |
天 候: | 晴 |
行 程: |
林道ゲート=幌尻山荘(泊)=幌尻岳=戸蔦別岳=幌尻山荘= 林道ゲート(往復) |
7月4日(金) 9:05. 林道ゲート発 10:15. 取水施設、 10分休憩 11:00. 渡渉開始地点着、 11:20. 発 12:25. 幌尻山荘着(泊) 7月5日(土) 4:30. 幌尻山荘発 5:05. 5分休憩 5:55. 命の泉、 5分休憩 7:35. 新冠コース分岐 7:42. 幌尻岳山頂着 |
8:00. 山頂発 8:36. 肩 8:50. 七ッ沼(南)分岐 9:00. ピーク、 5分休憩 9:17. 七ッ沼(北)分岐 9:46. 戸蔦別岳山頂着、10:00. 発 10:20. 幌尻山荘分岐 11:00. 10分休憩 12:10. 幌尻山荘着、 12:50. 発 13:50. 渡渉終了地点着、14:10. 発 14:45. 取水施設、 10分休憩 16:00. 林道ゲート着 |
7月3日(木) 12:45.新千歳空港着。 薄曇り。半袖では肌寒く感じる。苫小牧行のバス停を確認してから空港内で食事を摂った。 13:10.苫小牧行のバスに乗る。乗客は3人だけ。ウトナイ湖を通って行く。 14:05.苫小牧駅前着。 駅前のデパートでガスボンベを買う。 14:40.日高行のバスに乗る。 16:25.振内着。 16:30.「松永旅館」に着く。耳の遠いお年寄りが1人でやっている。奥さんは具合を悪くしているのだという。宿泊客は私一人。夕食はどこかに頼んだ弁当だった(それほど悪くはなかった)。 7月4日(金) 8時、振内タクシーで旅館を出る。運転手は幌尻山岳会の理事で、振内タクシーのHPを開いている松島さんだった。山の状況などを聞く。ゲートの鍵を持っているので取水施設まで入れるという。しかし、今日は時間があるのでゲートから歩くことにした。5日、午後4時にゲートまで来てもらうように予約した。ゲート近くの路肩には10台以上の車が停めてあった。 9:00.ゲート着。 9:05.ゲート発。 陽が射して暑い。右手の深い沢の方から、オオルリ、エゾムシクイが啼いている。道端にヤマブキショウマ、ヨツバヒヨドリ。 9:30.橋を左岸に渡る。ブナ、ミズナラ、カエデ類の気持ちのよい広葉樹林の中を歩く。ウグイス、コマドリが囀る。エゾムシクイは、「ヒーツキー」の他に「チィッ、チィッ、チィッ」と啼く声も聞こえる。 10:15.橋を右岸に渡るとすぐに建物があって、その先に取水施設がある。1組の夫婦が休んでいた。 10:25.夫婦より一足早く出発した。沢の右岸に道が付けられている。数分で1ヶ所高巻きがあってロープの設置されてある急な斜面を登る。その後もしばらく右岸の道を進む。 11:00.河原に出る。 ここから渡渉が始まる。軽食を摂り、半ズボンと沢用の靴に履き替えた。出発するころ先程の夫婦が来て先に渡渉していった。水は冷たいが気持ちよいとのこと。 11:20.渡渉開始。まず右岸から左岸へ。膝近くまでの深さがある。水は思ったほど冷たくなかった。すぐに夫婦を追い越す。数回対岸への渡渉の後、しばらく左岸に沿って進む。さらに十数回の渡渉がある。途中、4、5組、10名くらいの登山者と行き逢った。右岸に沿った道となって登ること十数分で対岸に山荘が見えた。左岸へ最後の渡渉を行う。全部で17回だと思う(正確には数えていない)。何とか渡渉地点を見付けてきたが、渡渉地の対岸の目印がはっきりしないところが多かった。もっとはっきりと分かるようにして貰いたいと思う。 |
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12:25.幌尻山荘着。 高床式の小屋で日当たりもよく、気持ちのよさそうな小屋だ。ベンチに寝転がって休んでいたら、2時頃に管理人が到着した。今日から滞在するという。そのうちに下から登ってくる人、幌尻岳を往復してきた人などが到着してきた。その中に今日の幌尻岳で百名山を完登したという四国の夫婦がいた。夕食までその人とアルコールを飲みながら話しをして過ごした。鳥海山、岩手山、巻機山、魚沼駒ヶ岳などを5月の連休に登ったとのこと、驚いた。 小屋の2階は1人1畳くらいの割り当てで満員になった。下にも4、5人。全部で20人くらいが泊まったのか。 |
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幌尻山荘 |
7月5日(土) 明るくなり始めた3時半ころコマドリの啼き声が聞こえた。天気はよいようだ。大半の人は仕度をして4時頃に出発していった。 4:30.山荘発。 雨具と食料、水だけ持つ。エゾマツ・ダケカンバ樹林帯の中を急登する。コマドリ、ルリビタキ、ミソサザイ、エゾムシクイ、ウソ、クロジなどの声が聞こえた。 5:05.5分休憩。 5:45.細い尾根に出た。戸蔦別岳が見える。エゾカンゾウ、シラネアオイが咲いていた。 5:55.命の泉分岐。 左手の斜面を下るようだ。急な斜面に雪渓がわずかに残っていて、水の音もかすかに聞こえた。水場までは行かなかった。低木帯の急傾斜の道を登り、さらに岩にハイマツの絡んだ歩きにくい尾根状のところを登る。 |
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6:25.小ピークに出た。 北カールの向こうに幌尻岳が見える。いくつかのピークがあってどれが山頂なのか分からない。天気はよいが、カールの方から風が強く吹き付けてくる。ゴゼンタチバナ、ミツバオウレン。ハイマツ帯が終わり、風衝地帯に来るといろいろな高山植物が咲いているが、風が強く、花が揺れてよく撮れない。ミヤマアズマギク、エゾウサギギク、チシマキンレイカ、ムシトリスミレ、オオバミゾホオズキ、テングクワガタ、ヨツバシオガマ、エゾコザクラ、アオノツガザクラ、エゾノツガザクラ、イワヒゲ、キバナシャクナゲ、エゾツツジ、イワウメ、エゾタカネスミレ、チシマフウロ、チングルマ、ミヤマダイコンソウ、エゾノハクサンイチゲ、ハクサンチドリなど。 | |
小ピークから幌尻岳 |
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7:42.幌尻岳山頂着。 快晴。周囲の山々が全部見渡せる。ほぼ北の方角に旭岳、トムラウシが見える。他の山々の名前は分からない。もっと大勢がいると思っていたのに山頂には男性2人だけだった。ゆっくりと休み、食事を摂る。 8:00.幌尻岳山頂発。 私より先に戸蔦別岳の方へ行った人はいないようだった。2つほどピークを越える。 8:36.七ッ沼カールを見下ろせるところに出た(肩)。急な下りが始まる。 8:50. 七ッ沼カールへ下りる分岐。雪渓は小さく、危険はなさそうだったが、七ッ沼カールへは下らず、尾根を進む。ハイマツが道を塞いでいて非常に歩きにくい。 9:00.中間地点のピーク着。5分休憩。 北には戸蔦別岳の登りが、南には下ってきた肩からの急斜面が見える。肩に2人の人が見えた。 9:17.再び、七ッ沼カールへの分岐。 9:20.発。 エゾノハクサンイチゲの群落がある。イワブクロ、タカネシオガマ、ミヤマキンバイ、ミヤマアズマギク、チシマキンレイカ、オオバミゾホオズキなど。 9:46.戸蔦別岳山頂着。 エゾイワツメクサが咲いていた。 10:00.山頂発。 ここまでは全く予定通りに進んでいる。山頂からは90度左の方に曲がって下りる。ミヤマオダマキ。 10:20.幌尻山荘への分岐。戸蔦別岳山頂に後ろからくる2人の姿が見えた。ここから急な下りが始まる。最初の20分はハイマツ帯。その後、低木と笹の道となる。 11:00.休憩10分。 標高1,420m、エゾマツ−トドマツ・ダケカンバ帯となった。ヒガラ、コマドリ、ルリビタキ。 11:30.右手から沢の音が聞こえ始めた。しばらくして笹原となり、すぐに河原に出た。沢の右岸は大きく土砂崩れしていてダケカンバの木々がなぎ倒されていた。 対岸へ渡る目印があったので渡ったが、その後の目印がない。崩落地の中に人の踏み跡があったので付いて行ったが、そのうちに分からなくなってしまった。 |
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幌尻岳山頂 |
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七ツ沼カール、ハクサンイチゲ |
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戸蔦別岳から幌尻岳 |
左手の沢の本流に出ようと思ったが、沢に下りられそうにないので崩落地の右手に入ると小さな沢があった。沢を下れば本流に出るだろうと思って下り始める。不安だったがときに足跡があり、1ヶ所赤いテープがあったのでそのまま進んだ。水は流れているが、傾斜は緩やかで多少靴が濡れることを気にしなければ歩き易い沢だった。この沢が本流に合流する手前で道が横切っていた。やっと安心してその道を下る。本流を下るよりも楽だったかもしれない。そこから3回渡渉して左岸に出るとすぐに山荘だった。 12:10.幌尻山荘着。 管理人だけしかいなかった。崩壊したところなど、道の状況を話した。残っていた荷物は私の他に一つだけだった。食事をする。戸蔦別岳の方から一人が戻ってきた。2人いたと思ったのだけれど。 12:50.幌尻山荘発。 やはり渡渉地点が分かりにくい。 13:50.渡渉終了。 14:10.発。 14:45.取水口着。 14:55.発。 林道脇にエゾノハナシノブ。 16:00.林道ゲート着。 まったく予定通りに到着した。 振内タクシーの松島さんが待っていてくれた。すぐに出発。 大きなトマトを戴いた。崩壊地のこと、目印をはっきりと付けてほしいこと、などをお願いした。 17:20.日高町、「松屋旅館」着。 改築されたばかりのような新しい旅館だった。 7月6日(日) 8:45.日高町営バスで占冠駅に向かう。 乗客は終点まで私1人だけ。運転手さんは山登りをする人で、7月4日に幌尻岳に登ってきたという。時間的には渡渉の途中で出会っていたようだ。ニペソツ山がよいとのことだった。 9:10.占冠駅着。 9:17.札幌行に乗る。 10:20.新千歳空港着。 飛行機は午後5時なので、それまでどこで過ごしたらよいかと考えたが、以前に家内と行ったウトナイ湖で過ごすことにした。 10:55.荷物をロッカーに入れて苫小牧行のバスに乗る。 11:10.ウトナイ湖着。 ウトナイ湖の湖畔を歩いてネイチャーセンターに向かう。野鳥探索路を歩いて観察小屋に行く。3人のバーダーがいて、シマアオジが啼いていると教えてくれた。皆で姿を探したが見付からず、そのうちに声も聞こえなくなってしまった。1時間くらい待ったが、いなくなってしまったようだった。 コブハクチョウ、トビ、カッコー、ハクセキレイ、ノビタキ、アカハラ、ウグイス、コヨシキリ、オオヨシキリ、センダイムシクイ、キビタキ、シジュウカラ、シマアオジ、カワラヒワ、その他、分からない啼き声、5種類くらい。 15:20.ウトナイ湖発(バス)。 15:40.新千歳空港着。 17:00.新千歳空港発。 18:10.新潟空港着。 18:20.新潟空港発。 18:35.新潟駅前着。 18:40.新潟駅前発(バス)。 21:00.高田駅前着。 |
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