私の白杖デビュー2 
H・T(女性)
白杖について
〜私の場合〜

 去年、今はまだ白杖はいらないけれど将来のために聞いておこうかなという気持ちでH先生に伺ったら「Tさん、充分持っても大丈夫ですよ」と言われました。私にしてみれば一寸先が見えなくなってから白杖を手にするものだと思っていたのでびっくり!
 「見てみますか」と出された折りたたみ式の白杖を見てまたびっくり! こんなの見た事ない!! 1本の棒状で突いている姿しか知らなかったもので・・・ その場で初めて手にした時はちょっと複雑な心境でした。

 N市の場合、手帳交付と一緒に白杖はくれません。自己申請です。新潟市は白杖も付いて交付されると聞き「いいな」と思っていましたがあの文(注)を読んで善し悪しだと気付かされました。心が落ち込んでいる人には手帳だけでもショックなのに、白杖まで付いてきたらダブルショックだろうな。本人の気持ちはおかまいなしに、ベッタベッタと視障者マークを貼られている感じだろうなと思いました。
 その点、私は手帳交付も「スゴーイ!」でしたし、白杖も自分からバックに1本入れておきたいと考え購入したので大丈夫でした。
購入前に白杖歩行講習会に参加したのですが、H先生から「初心者に初歩から教えて下さるかは分かりません」と言われていたので、内心ドキドキでした。でも視障者の方も明るい方が多く(その時はA・Iさん)、S先生が白杖の持ち方など親切に教えて下さったのでホッとしました。以来ずっと通っていますよ。

 それから白杖デビューがあって、でもいつもバックの中。
 自分に問いかけました。
 ・病気は「私、これいりません」という訳にはいかない。
 これは私の運命。
 ・病気は、はずかしことではない。これが私、この人間が今の私。
 ・白杖をなぜ持たないか。人の目が気になる?
 でも、知人が松葉杖をついていたら、どうしたんだろうと思うし、周りの人に聞くでしょう。理由が分かれば納得し、その後は、その人次第で「かわいそう」にもなるし「スゴイ、かっこいい!」にもなる。
 ・白杖を持っている人への偏見

 周りの人だけでなく、視障者本人も偏見を持っているのではないか。理解してもらうためには、持っているだけでは変わらない。大勢の人の考えを変えるには、まず身近な本人自身から。
 最近の私は、いつも白杖を持って「私は白杖宣伝係です」と言っています。理解してもらうには、まず見てもらう事から。チラリと見ている人の前では、わざと折りたたんだり、延ばしたり・・・。
 ひとつの事にもいろんな考えがあって、ラベリングがいやだと言う人がいれば、ラベリングする方法がなく悲しんでいる人もいる。私は白杖をプラスのラベリングと考えたいです。実際、白杖を持っている事により、人も車も避けてくれるし、ぶつかってもいやな顔をされないし、人には親切にしてもらえるし、いい事いっぱいありますよ。子供たちも「おかあさんみたいに、たんたんだ白杖を持っている人見たよ」と教えてくれました。私は「ワーイ!おっともだち」と喜んでいます。

 視障者でもいろんな事をやっている人がいますよね。登山についても私の頭の中は「???」だらけ、デコボコ道をどうやって登るんだろう? 今度教えて下さい。
 私には何ができるか分からないけれど、今日は白杖宣伝係。みんな、自分の人生へのチャレンジャー。
 私の生き方もちゃんと見ている人がいる。
 障害があってもカッコイイ生き方ををしている人をたくさん知りたいです。(S・Kさんのフアンです)

おまけのひと言

 「障害は不幸ではない」という言葉について
 私は障害に限らず、自分が不幸だと思えばどんな人でも不幸であって、不幸でないと思えばたとえ寝たきりであっても不幸ではないと考えています。
 この病気にしても「何で私が・・・」と思ったことはありません。ただ数千人に一人の割合と聞いた時は「どうせ当たるのなら、宝くじに当たればいいのにな」と思ったことはありますけど・・・。選ばれし者かな、なんちゃって!

 「よかったさがし」って聞いたことありますか?
 20年以上前だと思いますが、TVで日曜7:30からやっていた名作劇場の「ポリアンナ物語」か「私のアンネット」かどちらかだと思うのですが。
 何かマイナスな事にあっても、その中から「よかった」と思える事を見つけてる女の子の言葉です。要するにプラス思考なんでしょう。
 このTVを見た時、「これからの私の生き方はこれだ!」と思いました。ですから、大変だと思う事があっても、何かよかったと思える事はないかと探しています。

 (注)白杖の携行について研究したレポートです。

文責:新潟あいゆー山の会事務局
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