13 個人山行「雨飾山」
 3度目にして登頂「雨飾山」

 宮下 幸夫 

 2年前の、2000年(平成12年)8月26日(土)に、3府県合同登山として、雨飾山(1,963m)に挑戦して以来、今回が私にとって雨飾山にチャレンジすること、3度目であった。
 当時は、1カ月前の7月30日(日)に、下見山行で1度目の挑戦。この時は、湯峠からの林道のゲートが開いておらず、明らかに時間切れで、尾根に出る手前で引き返すことになった。合同登山の時は、登山口には順調に入れたものの、出発前のセレモニー等で、思いのほか時間を要し、登山口出発が8時過ぎになってしまった。この時は、尾根道の中程までで、あと40分ほどで頂上という地点で再び引き返すこととなった。この時の記録を改めて読んでみると、『今度来るときは、ぜひとも登山口を朝7時には出発したいものだ‥‥』と記されていた。

 いよいよ2002年(平成14年)8月4日(日)に、新潟あいゆー山の会の個人山行として、三度雨飾山に向けて出発した。参加者は、霜鳥・利根川・山村・渡辺・宮下の5名とのこと。朝4時に霜鳥さんが迎えに来てくれるとのことで、私は2時半頃起床し、早々に軽い朝食を済ませ、装備品と体調面での準備を整え、出発を待った。

 3時50分に、霜鳥さんが山村さんとともに迎えに来てくださり、直ちに出発。国道8号線を能生町に向けて移動し、利根川さん宅に着いたのだが、車もなく不在の様子。その後、青海町で渡辺さんをひろって、コンビニで昼食を購入して、国道148号線を小谷村方面に向けて移動した。シーズン中の日曜日にしては、車の数も比較的少ないようであった。
 電話で確認しておいたとはいえ、湯峠の林道のゲートは開いており、前沢コースの登山口には、6時20分頃には順調に到着した。直ちに準備を整え、6時半過ぎに登山口を出発した。それにしても利根川さんが欠席になってしまったため、渡辺さんと霜鳥さん、山村さんと宮下で、人数的にはぎりぎり。思わぬアクシデントがないよう、慎重をきさなければならなかった。

 天気は薄曇りで、気温は高いものの、直射日光はさけられた。今回は何年ぶりかで、山村さんのリュックに、安全ピンで白いタオルをはりつけ、それを目印に歩いてみようかと試みてみた。15分ほど行くと、地滑りのあとがあるのだが、2年前の時ほど生々しくはなかった。やがて沢に出て、これを横切り、難所の一つの通称「水かぶり」にかかった。水かぶりを無事に通過し、出発から1時間ちょっとで、最大の楽しみの一つの水場に到着した。空のペットボトルを満たして再び出発。単調なブナ林の中をどんどん登っていく。途中、長岡から来たという単独港の人が追い抜いていった。

 途中、展望台といわれる小さな広場を横目に見て、9時半過ぎには尾根道に上がった。岩や根でごつごつした道を一歩一歩進む。やせ尾根が多く、結構緊張する箇所が多かった。以前に山岳小説で読んだことがあるが、頂上直下は、なかなか険しかった。11時過ぎに仮のピークを過ぎ、11時15分に頂上に到着した。三角点に触れ、広い場所に腰をおろし、持参してきたビールで乾杯した。
 頂上にはツアーで来たと思われる人たちが2・30名おり、昼食を済ませては、次々に入れ替わり下山して行った。天候は曇りで遠くは見えないようであったが、時々日が差すと結構暑かった。

 我々も、12時15分に下山開始となったが、下山はいつもながら、頂上直下の険しい地形と、疲労のため、何ともいえぬ緊張感がある。途中、石に膝をぶつけたり、枯れ草に覆われている穴にはまったりしながら、何とか安全な地点まで下った。尾根道を過ぎ、ブナ林に入ってしばらく行くと、沢の音が聞こえたように思えたのだが、実のところ雨が降ってきたのだ。リュックカバーを付け、雨具を着て再び出発。やがて水場に近づいていくと、下の方から、「おーい、おーい!」という声が聞こえ、利根川さんが水場で待っていてくれたのだ。改めて水を補給し、再び出発した。それにしても、ここの水はとてもうまい!

 雨は降ったりやんだりしていたが、水かぶりから沢を渡る頃には結構激しい雨足であり、この雨がもう少し前から降っていたら、沢を渡るのに、もっと苦労するのだろうと内心思った。沢を渡ってしまうと、あとわずかだと思うせいか、ここからの数10分がとても長く感じられた(マラソンでも残り1・2キロは長く感じられる)。沢沿いのアップダウンを過ぎ、午後4時15分過ぎに、全員無事に駐車場に到着した。(がっちり握手!)
 なお、この日夕方7時半頃に自宅に着いたのだが、上越市はものすごい雷雨であった。車を出してくださった霜鳥さん、サポートをしてくださった山村さんありがとうございました。同行した渡辺さん大変お疲れさまでした。また、次回富士登山でもがんばりましょう。
(平成14年8月中旬 記)
2002年8月9日

 念願かなう

 渡辺 裕治

 かねてより懸案だった雨飾山の登頂を果した。私の治療室の患者さんや友人達との山の話題では、必ずといっていいほど雨飾山がでてくる。糸西地域で山登りの初心者がこの山を制覇することができれば、大部分の山を登れるようになれるといわれている。また、100名山の一つでもある。こんなこともあって、いつ日か、私も登ってみたいと思っていた。

 実は、今回の雨飾山の登山は、3回目である。1回目は、下見であり、当初から頂上にはいかないということで7合口付近で下山した。前回は、2年前、大阪「かざぐるま」と富山「三つ星」との交流登山で9合口付近で精神的な余裕のなさと恐怖感でリタイアした。
 さて、今回の登山の話に入る。最初の気がかりは、湯峠にゲートがあり、これがふさがていれば、ここから登山口まで1時間程度歩かなければならず、タイムロスになる。しかし、開いており、まずは、一安心。

 午前6時35分に登山開始。最初の難関は、沢渡りと水かぶり場(私がかってに付けた名称)を登ることである。沢は、前回より水量が多く、川原の石がごろごろしている。パートナー2人から声の誘導とストックで足の着地点を示していただき、慎重に渡る。そして私が最も苦手としている水かぶり場である。前回は、ロープを張っていただき、これを頻りに登ったが今回は、2人のパートナーの誘導のもと、慎重に登る。ここで最初の休憩。緊張と暑さで汗が噴き出す。次の目ざす地点は、湧き水場である。ここで喉を潤し、水を補給する。尾根までは、薮が深く、何ヵ所か、厳しい所もあるが割合と歩きやすい。しかし、蒸し暑く、大量に汁をかき、異常に喉が乾く。

 尾根に出るがここも薮が深い。霜鳥さんの話では、頂上まで三つの難関があるという。一つ目の難関は、段差のあるがれきである。やや息があがり、右大腿後側に痙攣のきざし。心の中で「やばい」とつぶやき、不安になる。二つ目の難関付近では、右大腿後側の痙攣のきざしが消失するが今度は、左膝内側上部に痙攣のきざし。ここでリタイアするわけにはいかない。休憩をとらせていただく。三つ目の難閏にさしかかる。山村さんより頂上まであと30mと声がかかる。また、休憩を申し入れる。苦しいけれどここまできた以上は、あせることもないと自分にいいかせる。更に進む。パートナーより頂上までほんの少しと声がかかる。

 午前11時15分、ついに頂上に立つ。「やったぜ」と声をだす。三角点を触り、皆で乾杯をする。頂上では、40名ぐらいがおり、ややにぎやかである。1963mの頂上は、さほど広くはなく、植物がないような、岩だけのように感じられた。周辺は、ややガスかかっていたが風がなく、日ざしが結構強く、暑かった。2000m級の山頂を味わう。記念撮影をし、12時15分、気をひきしめ、頂上を発つ。
 下りは、ストックをパートナーに持っていただき、右手で岩や薮をつかみながら、降りた。痙攣のきざしは、消失しており、順調に下る。中間地点を過ぎたあたりだろうか、雨が降りだす。山村さんより「すベリやすくなるので注意するように」とのこと。雨足がやや強くなってきたので雨具を着る。しばらく歩くと小雨になり、暑いので雨具を脱ぐ。

 湧き水場で水を補給する。この日は、暑く、異常に喉が乾いていたので本当に助かる。雨足が強くなってきたので再び雨具を着る。空が暗くなってきた感じがする。やや不安を覚える。残り1/3もないだろうか、もう一ふんばりだ。
 苦手の水かぶり場に来る。雨音と下の沢水の音、更に暗雲が不安をたかめる。パートナーの誘導のもと、こわごわと慎重に下る。沢水は、水かさを増しているようだ。いやな感じ。ゆっくりと落ち着いて渡りおえ、ほっとする。雷がない分、よいとしなければならない
 午後4時30分頃、登山口に到着。ほっとすると同時にうれしさがこみあげてくる。空が祝福するかのように雨がやんだ。皆で握手をする。登りは、非常に苦しかったがその分、完登できてほんとうにうれしい。

 帰りの車中、今回の登山がかなり苦しかったので「富士登山をキャンセルしてもよいか」と弱音をはく。しかし、今回の登山が富士登山にむけてのよいトレーニングになったと思えば気が楽になる。
 霜鳥さん、山村さん、ほんとうにありがとうございました。
 以上

 雨飾山感想文

 山村 洪一

 2002年8月4日、雨飾山に登りました。メンバーは、宮下、渡辺、霜鳥、山村、そして水場からではあるが、利根川。
 今まで二度の時間切れによる登頂断念の教訓を活かして、今回は遅くとも7時には登山口出発を目標に、朝4時に高田を出発した。それなのに、能生に着いてみれば、利根川先生がいない。 置き去りにして、青海の渡辺さん宅にむかう。ここでも、せっかく渡辺さんが丁寧に書いてくれた説明を読まなかったばかりに、町役場までドライブしてしまった。

 今日の主役である、宮下先生、渡辺さんをピックアップして、登山口へと向かう。
途中、コンビニによって、朝食、昼食を買込んで、準備は完了。今回ビールは渡辺方式でばっちり冷やしてきました。
 6:20 雨飾山の大網(前沢)登山口に到着。まずは、7時には確実に出発できそうです。 正式には大網登山口と言うらしいが、われわれは前沢コースと呼び慣れているので、今後は前沢コースと言うことにします。
 6:30 登山口出発。 宮下さんと山村、渡辺さんと霜鳥がパートナーを組む。
   一対一のパートナーとなったが、力量も気心も知れており不安はない。

 6:39 1/30の看板あり。 二年前にかざぐるまとの合同登山の時もあった看板である。
 6:44 3/30の看板あり。この前沢コースは、湯峠から、登山口を経て前沢に出るまで緩やかに下って、結局、小谷温泉からのコースにくらべて300メートルも低い標高からのスタートとなる。前沢まで小さな登り下りを繰り返しながら人の気配のない道をあゆむ。
 6:56 前沢左岸に出る。 ここから河原に出るまでは、岩が滑りやすく緊張する。
 7:06 沢を右岸に渡る。 足を濡らさずに渡ることができた。さい先が良い。

 7:08 河原をはずれて登山道に入る。 河原からいきなり「水かぶり」を通って、登山道に入るというつもりでいたので、河原を歩きながら、右岸のガレが気になってしかたがなかった。 だから、この登山道に入ったとき、「水かぶり」を避けて登山道を整備しなおしたのかと思ったのだがぼくの単純な勘違いでした。
 7:12 水かぶりを抜けて上部へ出る。 確実に足を置く位置を指示してあげれば、フィックスするまでもないようである。難所を抜けて一安心。
 7:13〜7:19 休憩。 はしごと木材が木に縛り付けてある場所である。 たぶん、山開きの日には、「水かぶり」ところに使うのであろうか。
 7:26 なだらかな登りを行くうちに、薄日がさしてきた。
 7:27 最初の急登がはじまる。 約百メートルののぼり。
 7:33 ぶな林の中を行く。 水の音が急に遠くなり、静かさが広がってくる。
 7:44 11/30の看板通過。

 7:45〜7:55 水場で休憩。 5/18の看板あり。 これもたしか前にもあった。それにしても、ここの水は美味しい。口に含むとふっと甘みが感じられる。ここでボトルを満タンにする。
 8:02 6/18の看板通過。
 8:04 全く意味はないが、?/30の看板。
 8:05 静かなぶな林を行く。 急でもない、なだらかでもない適度な坂を、単調に歩く。
 8:07 後ろから来た単独行の人が追い越して行く。今朝、長岡を出てきたとのこと。 あっというまに見えなくなる。
 8:08 ?/30の看板通過。

 8:11 正面に白い太い木が二本現れる。 陽があたって美しい。
 8:13 急にせみが鳴出す。?/30の看板通過。
 8:20 ?/30の看板通過。 番号がわからなければ何の意味もないのに、つい書いてしまう。
 8:21 前沢の向うに、大渚山がみえる。
 8:24〜8:37 休憩。 木の間ごしに差し込む光が美しい。
 8:55 テントが二張ほど張れる場所を通過。
 8:56 またまた?/30の看板。 今度来るときは、マジックインキを持ってこようか。
 9:05〜9:16 休憩。 ガレ場の急登を終わった場所で一息着く。今の登りはきつかった。
 9:26 二つ目の水場への降り口通過。12/18の看板。
 9:30 尾根をまたいで左にはいる。
 9:32 尾根に出る。

 9:38〜9:48 尾根の平らなところで休憩。(標高1,670m)
10:10 急な痩せ尾根。 両側はお花畑。
10:12〜10:18 痩せた尾根を乗っ越したところで休憩。
10:32〜10:40 尾根で休憩。 雨飾が良く見える。
10:42 痩せ尾根の両側は高山植物が美しい。 ほたる袋が目に白い。
10:45 道に岩が現れ始めた。
10:48 岩稜に出る。

10:49 岩稜をたどって、小さなピークに出る。 (1,842m)
10:57 17/18の看板。 ここから雨飾山の頂上にいる人が見える。
10:56〜11:04 最後の休憩。 もう頂上は目と鼻の先。(1,920m)
11:10 頂上直下のお花畑。 左右から、這松が迫ってくる。高嶺なでしこの匂いが甘く鼻をくすぐる。
11:12 雨飾山西のピーク。
11:15 小谷側への登山道分岐。

11:17 ついに頂上。 三年越しの夢が実った瞬間。火打、金山は見えるが、それより遠くの山は見えず。まずはビールで乾杯。 食事をとり、写真を撮る。霜ちゃん、新種のかみきり虫発見。 山村はなぜかこのかみきり虫に好かれて、この子はついに登山口までくっついてきてしまいました。遠くは見えないものの、日差しは強く、陽に焼けそうである。ツアーらしき、二・三十人のパーティが登ってきては記念撮影をして降りて行く。笹平を登山者がいきかっている。
12:18 下山開始
12:41〜12:49 コルで休憩(10:32〜10:40の休憩を取ったところ)
13:15〜13:25 休憩
13:46 二つ目の水場入り口を通過 (9:26)
13:50〜14:10 13:55休憩中に雨が降出す。 雨具をつける。
14:21 テントが張れる個所通過。(8:55)
14:40〜14:57 休憩。 雨具を脱ぐ。

15:12〜15:23 水場で休憩。 何と利根川先生が来てくれた。(7:45〜7:55)
15:26 沢の音が急に聞こえた、と思いきや雨の音でした。
15:52 「水かぶり」を通過。 緊張しました。 この時、投げたストックが、薮の中に滑り込み、探し出すのに一苦労する。どんな時も手を抜いてはいけない。
15:56 雨具をつける。 河原を歩く。
16:30 3/30の看板通過。 (6:44)
16:37 登山口到着。 お疲れ様でした。

17:00 車で湯峠への林道を走っていると、雉子のおやこが、林道を車の前を前をと走ってゆく。避けてくれればいいのに、林道上を走って逃げる。子供の雉は可愛くもあり、とてもハラハラした。湯峠の手前より ガス濃し。ほとんど前が見えない。峠をこえて、しばらく走ったら霧も晴れて一安心。帰りは大雨。上越では稲光がぴかっと光るやいなや、「ゴロゴロ」と雷。とにかくすごい雨でした。下りてきてからで良かったと思います。山でこんな雨に降られたら、疲労凍死まじかですね。楽しく、思い出深い山行でした。
 以上
戻る