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参議院改革案


今では、参議院不要論さえ、一部で取り沙汰されています。
また、現行の比例代表制は、少数政党への配慮という役割は果たしているものの、
民意を反映しているとはとても思えない議員まで当選させています。

人気取りが上手いだけの人、マスコミで取り上げられ有能でなくてもイメージ先行の人、
あるいは、本人の資質と関係なく集票マシーンのような組織がバックについた人、
現在の選挙方法では、こうした人達が有利に選挙戦を展開しています。
資質に欠けた候補者でも、表面的な印象と気分で選ばれてしまいます。

よく、「平和ボケした日本」と言われますが、ある面では恵まれた状態とも言えます。
でも、いつ何時、緊急事態が発生したり、動乱に巻き込まれたりするか分かりません。
そんな時にも、充分に対処できる能力を鍛えた方々を、日頃から確保しておくべきですね。
日本人の特質を踏まえ、平常時にも、動乱期にも、耐え得る議会制度が必要です。

衆議院が、国民全体の気分をそのまま反映してしまうのはやむを得ないと思います。
しかし、参議院では、平和の中にいても平和ボケしない、動乱の中にいても冷静でいられる。
そんな議員さん達が多数を占めるようになって欲しいものです。

参考書籍: 愚民文明の暴走 呉智英・適菜収共著、2014年、講談社 ('14年11月19日追記)


【議員定数の削減は本当に必要?】

議員定数が問題になるのは、現状では資質に疑問符がつくような議員が多数いるから?
こんな議員なら不要との考えが根底にあるものと推察します。

両院の議員とも、政党の持ち駒の一つでしかないような、能力に疑問を抱く議員が大勢います。
政権をとっても、官僚とまともな議論もできず、官僚を使いこなせない大臣も多いです。
官僚の操り人形になったり、逆に、舐められないよう威張り散らすだけの大臣や議員です。
こんなじゃあ、日本の舵取りなんて、任せられませんよね。

しかし、定数を減らせば、資質の低い議員から順に落選して行くのでしょうか?
私は、必ずしもそうなるとは限らないと推察します。

定員が減るだけで、選挙方法が同じなら、候補者の擁立も相変わらず同じなので、
資質の優れた議員も減ることになりかねないと推察します。

資質の優れた議員であれば、沢山いてもらっても構わないのではないでしょうか?
今後、国際社会の中で、日本が果たす役割が拡大していくことになるものと推察します。
その時に、国の立法機関に、幅広く有能な人材が集まっているのは、とても心強い事です。

定数削減を考える前に、議会の在り方、議員の選出方法など、
根本的な見直しが必要になると考えました。


【治に居て乱を忘れず・乱に居て治を忘れず】

平和にあっても動乱への備えを忘れず、動乱にあっても平和への道を忘れず。
こうなれば良いのですが、とかく私達は、眼前の状況に飲み込まれてしまいます。
あるいは、過去の経験に引きずられて、判断を誤ってしまいます。
 参考:過去の経験を活かさない決意(講師 玄侑宗久氏)

2008年アメリカのサブプライムローン問題の表面化とリーマンショックから、
世界的に景気後退し、更に国際的な円の流れも逆転して急激な円高が進みました。
国内生産に一気にブレーキがかかり、工場の操業短縮を始め、景気が底冷えになりました。

長引く不況で、2009年8月ついに政権交代。
しかし、国の防衛については、平和に浸りきっていました。
米中等距離外交を標榜していた民主党政権を私達は選びました。

その途端、2010年日本の南で、2012年北と西で、隣国により平穏が破られました。
虚をつかれ、大慌てになりました。
 参考:中国漁船体当たり事件
     メドベージェフ・北方領土訪問
     李明博大統領・竹島上陸・天皇謝罪要求

もっとさかのぼれば、大東亜戦争でも、平和ボケが尾を引いていたようです。
毅然とした人事が出来ずに、国の方針を前線の司令官まで徹底できませでした。
満州事変でも支那事変でも、前線の暴走を許し、事後承認までしてしまいました。
対米戦でも、山本五十六の独り善がりを止められませんでした。
自分の着想に拘り過ぎた山本五十六は、米国の術中にはまり、真珠湾で戦端を開きました。
もっと違う戦略で臨む事も出来たようです。

一方、この戦いをどう納めるかという課題もあったはずですが、
対米戦当初の約5ヶ月間、国民は、連戦戦勝の勢いに浮かれていました。
政府まで、この課題を見失い、和平への道を忘れていたのでしょうか?
戦線が伸びきる中、半年を過ぎる辺りから、諸海戦の敗北が始まり、1年後には劣勢。
その後の3年近くも、劣勢のまま死力を尽くし、力尽きました。

大東亜戦争の目的については、当初から見解が分かれ混乱していたようです。
(@自存自衛、A自存自衛と大東亜新秩序形成、B大東亜新秩序形成のみ)
これでは、和平へのタイミングも測れなかったでしょうし、作戦も絞れなかったでしょう。
平和ボケが尾を引き、動乱期の指導力が不足したことが、人事に影響したのかもしれません。


【選挙も万能ではありません】

制度、仕組みを考える前に、有権者の投票行動を振返る必要があります。
とくに、過去の選挙で選択を誤ってしまったのではないかと後悔する選挙です。
候補者の主張の裏や人物を良く調べ、慎重に選ぼうとしても、なかなかできません。

有権者の多くは、その時の気分などに左右され、判断を誤ることがあります。
洞察力や構想力に欠け、感情を煽るだけの議員が当選しても、やむを得ません。
この点では、私自身にも身に覚えがあり、その心理を考えてみました。

世間に流布されている話しなどに気分が支配され、投票の判断をしてしまう。
ここでは、これを「付和雷同型」と呼ぶことにします。

何となく親しみを感じたり、身近に感じたりして、表面的な好感度で判断してしまう。
ここでは、これを「顔馴染み型」と呼ぶことにします。

自分や家族などの所属集団を、有利に取り計らってくれるか否かで判断してしまう。
ここでは、これを「利益誘導型」と呼ぶことにします。

なお、報道機関の偏向情報、イメージ操作により、有権者の気分が決まることもあります。
この背後には報道機関に隠然とした影響力を持つスポンサーの意向も働きます。
また、報道機関の職員の思想信条も働くでしょう。
ここでは、これを「気分誘導」と呼ぶことにします。

付和雷同や顔馴染み、利益誘導、気分誘導などで政治状況が決まってしまい、
国全体にとっての視点や長期的な視点が脆弱なまま政策が決定されかねません。
洞察力と構想力に欠けた議員達が、政治をオモチャにしかねません。


【二院制の課題】

自分達で選んだ議員が道を誤ったとしても、その責任を国民が負うのも仕方ないです。
直接選挙で議員を選ぶ民主主義では、ある程度止むを得ない事と割り切るしかありません。
と言って済まされる事と、取り返しのつかない事があります。
多くの民主主義国で、二院政が採用されているのは、これを防ぐ意味もあるはずです。

片方の議会議員が付和雷同や顔馴染み、利益誘導で選ばれたとしても、
もう一方の議会議員がその弊害に待ったを掛けることを期待しているのでしょう。
日本では、参議院議員にこの役割が期待されていたはずです。

でも、日本の参議院議員は、それだけの洞察力と構想力を持っているでしょうか?
国民からも、衆議院議員からも、それだけの尊敬を受けているでしょうか?
はなはだ疑問です。

大東亜戦争に敗れる前、明治憲法下では、
衆議院に対し、もう一方に貴族院がありました。
貴族院議員は、付和雷同や顔馴染み、利益誘導への堕落を少しは止められたのでしょうが、
一般民衆とは縁の薄い世界に住み、国民の思いに疎かったのではないでしょうか?

だから、社会の底辺で苦しんでいる人々の声を汲み上げる事が出来なかった。
政治家に対する国民の失望が広がり、一部軍人の跳上がりを許容する下地になったのでは?*
政治家に、一部の軍人の跳ね上がりを押し止めるほどの説得力がなかった!*
                         - - - - - - - - - (「*」印2行、2015年12月16日修正)
大東亜戦争に敗れた後、GHQに押し付けられたとされる新憲法では、
参議院議員も、一般民衆によって選出され、国民の思いも届き易くはなりました。
しかし、議員の質が、次第に衆議院と同じようになっていきました。
1983年の選挙制度変更で、全国区が比例代表に変わり、この傾向は益々進みました。
 参考:ある弁護士のブログ


【新しい参議院に向けて】

仮りに、衆議院が付和雷同や顔馴染み、利益誘導で選ばれた議員ばかりになり、
国の舵取りを誤るような法案を可決したり、政府の失策に寛容なときでも、
衆議院からも、一般の国民からも、参議院が一目置かれる存在であれば、
廃案に追い込む権限が無くても、また、内閣不信任を決議する権限が無くても、
参議院は、これに警鐘を鳴らして、再考を促す役割を果たすことができるはずです。
 参考:イギリスの貴族院

付和雷同や顔馴染み、利益誘導で選ばれることがなく、社会の各層の声を汲み取り、
洞察力と構想力を駆使して、平和の中で危機に備え、動乱の中でも和の道を見い出す。
そんな議員達が集まる参議院になって欲しいと思います。
それには、議員の選出方法を、今までとは、根本的に変える必要がありそうです。

衆議院と対等の権限を持たないと割り切れば、
後で提案しますように、根本的に選出方法を変えても支障無いはずです。

例えば、次のように、衆議院に優越的権限を与えては如何でしょう?
・予算案についての衆議院の優越的権限は従来通りとする。
・法案の多くについては衆議院に優越的権限を与える。
・参議院で否決されても、衆議院で再可決すれば、時期を1年遅らせ、成立とする。
・その間に、修正協議を可能にする。
・ただし、必要な賛成割合を1割超えて再可決した場合は、直ちに成立とする。
この方が、国としての意思決定が迅速になるはずです。

欧米各国の上院や貴族院の議員選出方法や権限には、様々な違いがあるようです。
・アメリカ 上院
・ドイツ 連邦参議院
・フランス 元老院
  比較 国民議会

二院の選出方法や権限に、随分と差を設けています。
せめて、参議院だけでも、ガラリと変わって欲しいものです。
そうすれば、衆議院議員選挙でも影響を受けて随分様子が変わるのでは?


【選出方法の改革の方向性】

今は、マスコミの気分誘導の下で、付和雷同や顔馴染み、利益誘導で選ばれる議員が多く、
業界団体や労働団体の推薦が幅を利かせ、圧力団体に政治が左右されています。
選挙活動に金がかかり過ぎる為に、企業団体献金に頼るあまり、この傾向が加速しています。
国会審議が、企業団体献金で手加減されたのでは、国民はたまりません。
 参考:コーポラティズム
   世界超恐慌の正体 安部芳裕著 晋遊舎
   国家が株式会社化する?
   TPPついにリークされた衝撃の内容
   日本が努力しても報われない理由

そして、参議院まで党議拘束を受け、議員一人ひとりの熟考が働かなくなっています。
参議院に期待される役割から考えれば、党議拘束などもっての他ですし、
議員の選出にあたっては、人物評価を、多面的に時間をかけて行う必要があります。
参議院議員を選ぶときには、人物を見抜いてもらいたいものです。

物事を自分の都合の良いようにしか受け止めない自己中心的な人物でも、
その人の表面的な印象に騙され、人物を見抜けぬまま、有能だと誤解する事があります。
一方的な情報だけでは、人物は評価できませんね。

大国が人物を見抜けず、不適切な人物を傀儡政府のトップに就けてしまった例もあります。
  李承晩解説
  ソビエトの朝鮮金政権評価(本音)
  ゴ・ディン・ジエム解説

基本的価値観、洞察力、構想力等について、参議院議員には、より高い資質が求められます。
参議院の役割からすれば、審議能力の資質を問うべきです。

だから、参議院議員は、政治信条や審議能力、審議実績を自己PRすべきでは?
大臣や政務官としての活動や選挙地盤への利益誘導、派手なパフォーマンスをPRしてもね?
政権に加われない野党議員や無所属議員であれば、なおさらのはずです。
では、実際の参議院議員の皆さんは、ホームページで何をPRしているのでしょう?
  参考:国会議員のホームページ紹介 
如何でしょう?充分な情報は見つかりましたか?人物を見抜けましたか?


【提案1・政党色を薄める】

参議院の方向としては、議員個々の主体性を保った慎重審議です。
政党の党議拘束を受けない事、無所属議員が多数活躍できる事を期待します。
党議拘束は、衆議院のカーボンコピーと言われる素です。

参議院全国区の当選者のうち、無所属や緑風会の議員数の推移を調べてみました。
1947年の第1回参議院議員選挙では、定員100名中、57名が無所属でした。
1950年の第2回選挙では、改選議席56名中、12名が無所属、6名が緑風会でした。
無所属や緑風会議員の割合は、年々減少し、緑風会は1965年消滅。
全国区が廃止になる直前の1980年には、改選議席50名中、無所属3名になりました。

こうした変化の背景には、全国行脚による選挙活動の問題がありました。
・候補者には余りにも過酷な労苦になったこと。
・交通費や宣伝活動の費用が膨大にかかること。
組織力や選挙戦術の支えが当落を左右し、政党色が強まったものと推察します。

参議院の離党議員が集まり、党議拘束が無い集まりを作ったこともありましたが、
長続きできませんでした。
2012年に離党者が集まり結成した「みどりの風」という会派も、
2013年の選挙では、改選議席を確保できず、この後すぐ解散しました。
当時のホームページも拝見しましたが、体裁は良くても中身が薄く、
党としても、個人としても、他党や他候補の中に埋没している印象でした。

今は、インターネットで、誰でも格安で生中継ができる時代になりました。
全国各地に会場を借りて、同時生中継の質疑応答も可能です。
この録画を無料で動画投稿し、ネット配信する事も可能になりました。

大組織に支えられずとも、候補者の個性を前面に出して選挙戦を戦える時代です。
今一度、全国区を復活すべきだと考えます。
日本全体を見渡して政治課題を訴える、民意を反映した議員が増えるものと期待します。

      
【提案2・地方選挙区の考え方】

地方選挙区にしても、都道府県を最大単位とする必要は無いと考えます。
都道府県の利益を代表する議員である必要は無く、
各地方の特色を心得ていれば充分だと割り切れば、
3県以上の広域を含んだ広い選挙区を設定できます。
そして改選定員は、必ず3名以上にすべきと考えます。
そうすれば、1票の格差問題もずっと解消し易くなります。

また、特に参議院では、地方選挙区の改選定員は、人口比例から遠くても良いのでは?
例えば、面積比例と人口比例の中間で設定する方法もありそうです。
なぜなら、国土の保全や防衛の観点では、人口の少ない地方の意見も大事になるからです。
更に、各地方の特殊事情に配慮する意味で、地方枠としての1名を追加しても良いでしょう。
                   - - - - - - - - - - - - - - (上記4行、2015年12月16日追記)

【提案3・政治評価ボランティアの導入】

政治家を選ぶ選挙は、とても重要なことは改めて言うまでもありません。
国民国家というものは、これがあるから成り立ちます。

ところが、政治家が充分な資質を持っているか否か、吟味するのは、容易ではありません。
日頃から政治に関心を持ち、人物を見る目を持ち、気分に流されない。
表面的な印象に騙されない為には、その裏側にも考えが及び、自分で調べ直す。
国民の大多数がこうした事を実践し、選挙で政治家を選ぶのが理想です。
しかし、忙しさの中で、こうした事を実践できる有権者は少数です。

現状の改善策として、幾つか案を考えてみましたが、直ぐに導入できないものもある為、
将来的に更に改善を進める為の下地として、現状で実施し易いものを先ず提案します。

「政治評価ボランティア」から登録してもらい、活躍してもらう提案です。
国会事務局でも良いので、サイトを立ち上げ、
登録ボランティアが、政治家などに対する見解をここに書込み、公開する仕組みです。

OKWaveヤフー知恵袋のように、最初に誰か1人がテーマを起案すると、
これに関した見解を他の人が続けて書込んで行く仕組みです。

政治家や候補者、政党、政治テーマ別に見解を検索できるようにしておくと、
アマゾンの書籍のカスタマーレビューのような使い勝手になり、
自分では詳しくなくても、様々な見解を参考に、大よその評価ができるようになります。

試験的な意味でも、参議院議員やその立候補者から始めては如何でしょう?

この仕組みは次の効果を期待するものです。
・政治家や候補者、政党、政治状況に対する見解を多面的に知る。
・政治家や候補者、政党から離れた視点の見解を知る。
・根拠のないデマや誹謗中傷を避け、健全で奥深い議論が活発になる。
・書込みが増えると、政治分野の洞察力や意識が高い人が、自分の身近に居ることが分かる。

効果を確かにする為に、次のような規制を設けます。
・本人情報を登録し、名前と在住市(区)町村名は公開とし、他の情報公開は本人の自由。
・新聞投書欄のように名前は実名とし、書込みへの責任を促し、違反を通報し易くします。
・「参考になった」ボタンで、読者評価を受け内容向上の促進と、ボランティアの励みにする。
・根拠のないデマや誹謗中傷に対しては、名誉棄損になり得ることを予め注意喚起する。
・違反者の通報を受け付け、明らかな違反であれば、サイト管理者が書込みを削除する。
・違反が法令に違反する場合は、サイト管理者が警察に調査依頼できる。


【提案4・選挙活動の2段階制】

更に選挙戦の中で、候補者の資質を丸裸にしていく仕組みを作って行けば、
ボランティアの目で参議院議員に相応しい人が選り分けられていくものと期待します。
必ずしも有名でなくても、参議院議員の資質を備えた人なら、当選の可能性も出るはず。
そうすれば、充分な資質を備えた参議院議員が続々と誕生するはず。

こうした理想に向け、次の条件を整えていくべきでしょう。
・立候補者の選挙対策費用を安く押さえる。
・立候補者の資質をじっくり観察する時間を充分に確保する。
・いわゆる「死に票」を減らせるよう、少数派の意見も活かせる道を残す。
・立候補者本人の資質だけでなく、政策アドバイザーの資質も測れるようにする。

具体的方法
・選挙期間を2週間ずつ、前期・後期に分け、各期間の活動内容を制限する。
・前期は、選挙公報とホームページや投稿動画など費用を安く抑える手段に限定。
・選挙期間中にホームページを更新したり、新たに動画投稿する事を認めます。
・後期は、立会演説会やそのネット中継及び録画のネット配信などQ&A可能な手段に限定。
・立候補者の供託金を低く抑えます。(100万円程度)
・立候補の競争率が2倍を超えた選挙区は、前期最終日に予備選挙を行い、2倍に絞ります。
・これにより、少数意見を再度取り上げたり、候補者を一人ひとり見直し易くなります。
・議員に当選後は、政策アドバイザーに対しても、一定範囲内で国費を支給します。

こうして、政治や選挙を見る目が変わってくれば、この影響は、衆議院にも及ぶはずです。
衆議院の方も、現行の選挙制度の下でも、随分と様子が変わって来るものと推察します。


【参議院に与えるべき優越的権限】

参議院に洞察力と構想力に優れ、国民各層の思いを汲み取れる議員がもっともっと増えれば、
参議院は、単なるご意見番でなく、一部の案件では、衆議院に優越すべきでしょう。
・参議院優越分野の案件は、参議院で先行審議する。
・衆議院で否決されても、参議院で再可決すれば、時期を1年遅らせ、成立とする。
・その間に、修正協議を可能にする。
・ただし、必要な賛成割合を1割超えて再可決した場合は、直ちに国会承認とする。
この方が、国としての意思決定を迅速にしつつ、失策の防止にもつながるはずです。

参議院に優越的権限を与える分野を考えてみました如何でしょう?
・国として長期的な視点で考えるべき教育分野の法律。
・国として深謀遠慮で考えるべき外交分野の法律。
・慎重に且つ時期を逃さず考えるべき防衛分野の法律。
・国の根幹にかかわる憲法改正。

上の3分野の法律については、参議院の方に優越的権限を与えた方が良いと考えます。
衆議院で否決されても、参議院で過半数をもって再可決すれば国会承認とします。
憲法改正については、改革が進めば参議院の方に優越的権限を与えるべきと考えます。
参議院で2/3以上の賛成をもって再可決すれば国会承認とします。
憲法は、なかなか改正できずに、時代遅れで現実離れしたまま放置されています。
新しい参議院に優越的権限を与える事で、少しは良くなるはずです。


【追加提案1・間接選挙の導入】

政治家を選ぶ選挙は、とても重要なことは改めて言うまでもありません。
以上に提案しました「政治評価ボランティアの導入」が軌道に乗れば、
政治状況や政治家の資質、政党の実態を勉強し理解する助けになるでしょう。

大多数の有権者がこれを充分理解し、直接選挙で全ての政治家を選ぶのが理想です。
しかし、ここまでしても、忙しさにかまけて、充分検討できる国民は少数かもしれません。

投票率は、一つのバロメーターになるでしょう。
1980年まで65%前後で推移していましたが、最近は50数%と低迷しています。
投票率が1980年以前のレベルまで持ち直さなければ、対策としては、まだ不充分です。
不十分な場合に備え、追加対策を考えてみました。

参議院議員の選定については、こうして勉強し大体を理解できる方々にお願いする方法です。
つまり、思いきった改革案として、参議院議員選挙に限って、間接選挙を提案します。
まず国民の中から選挙人を選び、次に議員が立候補し、選挙人の投票で議員を決めます。

米国大統領の間接選挙は、形骸化が進んでいるようですが、状況が異なります。
・大統領選で、形骸化が進むのは、選挙人が自分の投票先を予め明らかにするから。
・私の提案と状況が異なるのは、米国大統領選は、基本的に二者択一である点です。
・この為、米国の選挙人は、立候補するときには、投票先を予め明らかにすることができます。
・私の提案では、基本的に4人以上の議員候補者から選ぶことになります。
(参照:提案2・地方選挙区の考え方
・選択の幅が広がるので、本選挙まで投票先が曖昧なままでも不自然ではありません。


【追加提案2・選挙人の具体像】

新しい間接選挙は、選挙人以外の人々からすれば、白紙委任に近いものです。
それだけに、日頃からの選挙人との信頼関係が大事になります。
・主義主張もさることながら、人格的な評価でも選べるようにしたいと考えました。
・信頼関係や実績、能力など、日頃の評判が大きく影響することを期待します。
・その為に、選挙人選出の選挙区は、日常生活圏に重なるようにします。
・また、日頃接している人数の数倍程度で当落が決まるように設定します。
・直接会い、対話して確かめられる関係だから、伝聞より誤魔化され難い。

選挙人は無償ボランティアとします。住民が自ら立ち上がって活動する形です。
安く活動できる仕組みや人材育成体制も必要でしょう。
選挙人に立候補する心理、活動を支えようとする心理にも配慮する必要があります。
 (経済的には何の得にもならないし、落選すれば恥をかくだけかもしれません。
 でも、黙って不条理を見過ごせないとか、自分達の願いを政治に届けたいとか、
 自分の興味関心が活かせるとか、自分の存在を人様にも認めてもらいたいとか、
 様々な思いから立候補に至ったり、活動を応援したりするものと推察します。
 そして、活動が続くには、仲間から認められて嬉しいという思いも支えになるでしょう。)
・選挙人立候補者を育て、仲間づくりを促進する仕組みを作る必要があります。
・制度に関する住民勉強会や意見交換等を何度も公的に開き、参加意欲を育てます。
・思いを共有する仲間ができてきたら、あとは住民だけの力で活動は継続するでしょう。
・選挙人の選出には、公職選挙法を参考にしながら別体系の選挙法を作り適用します。
・選挙人の選出には、候補者の費用負担を極力無くす方向でルールを作ります。
 (例:公的な負担で、立会演説会を分散開催し、有権者には選挙公報で開催を知らせる。
    ホームページ等で、記事を発表しながら信条等を伝えることは常時認める。
    選挙期間中は、選挙広報以外の印刷物の配布は禁止する。)


【追加提案3・選挙人の選出方法の概要】
次の@とAで選挙人を選びます。

@普通選挙で選挙人を選び、この選挙人に1票の投票権を与えます。
・選挙人の定員は、人口1000人に1人の割合とし、市(区)町村を選挙区にします。
・人口が1000人に満たない場合は、近隣の選挙区と合区します。
・候補者多数になり、現状の投票方式では不便な為、投票用紙を工夫します。
(候補者名を電話帳のように50音順に記載したマークシート方式が良いでしょう。)
・多分、300〜500票程度が当落ライン?
・選挙人への立候補権も、選挙人への投票権も、日本国籍保有を必須とします。

A選挙区内の都道府県議会と市(区)町村議会の議員に所定の投票権を与えます。
・地方議会に外国人参政権を認めたときは、その議会は除外します。
・投票権として与える票数は、直近の選挙での獲得票数の1000分の1とします。
・小数点以下1桁まで票数として数えます。

参議院議員選挙のときは、@とAの選挙人の合計得票数で選出します。
選挙人は投票先を一人で考えても良いし、支持者と相談しても良いでしょう。
以上、追加提案1〜3まで実施出来れば、政治状況は大幅に改善できるものと推察します。






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