・・・・・魂のルネッサンス 心と魂の解放 ・・・・・
 前ページ目 次章冒頭次ページ

<第6章-4>     俊敏で的確な判断

四苦八苦していると、眼前の事態で、頭が一杯になってしまう。
これでは、気の利いた事も言えないし、有効な手も打てない。

脳と心のトレーニングを積み、ゲシュタルト能力を高めて行くと、
現実への対応が俊敏でかつ的確になっていくそうです。(参考書307
「岡目八目」と言う言葉があるように、
第三者のように、事態の全体を、高いレベルから俯瞰する一方、
一つ一つの事態を臨場感をもって体感できるようになるので、
ポイントを押さえて事態を把握し、対処することができる。
「一を聞いて十を知る」と言う言葉があるように、
少ない情報から、特徴を掴み、隠れた部分を推察することができる。

現実の最前線では、一瞬の判断が、事の成否を分けます。
狩猟採集の古代生活やスポーツ、勝負事、ビジネスの折衝では、
一瞬の判断が成否の鍵になります。
瞬時に本質を掴み、的確な対処をすると言う、俊敏さが自分にも欲しい。

幾つものポイントを同時に見る。すなわち俯瞰する。
その幾つもの問題に対する推考を、頭の中で同時並行して分散して進める。
その意識状態を必要に応じて使えるようにしておく。
そう思って訓練に励んでいます。

これは、ステップ・バイ・ステップで順を追って処理することとは異なります。
しかし、日常の会話の中では、頻繁に行っていることです。
一つの単語には、範囲の広い意味があり、それを文脈から判断し、
特定の意味を推定しながら、文章として解釈しています。
つまり、部分と全体とを頭の中で、同時並行しながら処理しています。
全体を俯瞰して、視点を上げる事を著者は、「ゲッシュタルト」と呼んでいます。
ゲシュタルト心理学において、物事を認識する仕組みを表す理論です。
文明以前から人間が持っていた認識の仕組みであり、
動物とも共通している能力です。
野性的な勘とも言えるものでしょう。
しかし、学校で教える事は、ステップ・バイ・ステップの思考法であり、
学校の勉強ばかりしていては、ゲシュタルト能力は発達せず、
下手をすると退化してしまいます。
学校秀才、試験勉強秀才の弊害です。
「勉強ばかりしていると、馬鹿になる」と、言う人がいましたが、
まさに、この事を指していたのでしょう。

マインドマップでも、似たような事をやりますが、
書き出すのに時間がかかります。(参考書401
マインドマップは、ステップ・バイ・ステップ思考で凝り固まった頭を、
解きほぐしてはくれますが、俊敏な野性的勘の域まではレベルアップできません。
ゲシュタルト能力は、同じ事を、一瞬で、時間をかけずに行う能力です。

修正:2009年8月10日





前ページ目 次章冒頭次ページ


著作権:光の木